カナダ旅行(Day1) / San Jose - Montreal |
- はじめてのアメリカ経由カナダ旅行
- I-94W回収される
F1ビザで学生としてアメリカに滞在している時は長期で滞在できる権利と引き換えにいろいろ不便もあって、その中のひとつが「メキシコ・カナダとはいえビザが切れたらアメリカ国外には出られない」ということ。もちろんビザが有効な間はI-20の裏書があれば出入国には全く問題がないんだけど、私の場合は 9ヶ月しかビザを取っていなくしかもビザで申請した日より3ヶ月ほどアメリカへ入国するのを先延ばしにしためにあっというまに国外に出られない日がやってきてしまったのだ(涙)なのでそれからは日本に帰りたくても帰れず、メキシコやカナダに旅行する機会があってもリスクガ高いためにできず、じーっとアメリカ内で耐え忍ぶ日々。もちろん学生の本文は勉強。語学学校の時はともかく、カレッジは1日でも休んだらついていけなくなるので、長期の旅行そのものが不可能だったんだけど。
でも今回の私はツーリスト♪ということで初めてアメリカからカナダへ旅行してみることに。アメリカにビザ免除で入国した場合、最大で90日間の滞在許可となり(滞在期間についてはI-94Wに記載される)アメリカ国外にでる場合はI-94(W)をエアラインが回収するのが普通なのだけれども、近隣国であるカナダとメキシコには特別な協定が結ばれていて、30日以内の旅行であればI-94Wは回収されず、滞在期間はアメリカの滞在期間に含まれるのである(2006年1月現在)。利用エアラインはAmerican Airlines。サンノゼ発、シカゴ(O'Hare)経由のモントリオール行き。朝6時発の便だったので4時起きして空港へ向かう。眠い目をこすりながらチェックインカウンターでチェックインをすると、カウンターのオバお姉さんがビリビリー、と大事なI-94Wを外している。「ちょ、ちょっと待って、どうしてI-94回収するの?」と聞いてみるも「だってあなたたちアメリカ国外へ行くのでしょう?」と一言。「いやいや、国外に出るっていってもカナダだし、旅行が終わったら戻ってくるからI-94(W)は回収されないハズなんですけど」と言うと「あら、そうなの?私はよく分からないからとりあえず回収しないでおくけど、シカゴの乗り継ぎの時にもう一度パスポートを見せて聞いてみてくれる?」とかなりいい加減なお言葉。いいのかそれで。まあでも回収されなくて良かったー、とほっとヒトイキついたものの、手渡された搭乗券には"SSSS" がしっかりと印刷されて出てきた。しかも2人とも。このSSSSマーク、ランダムチェックということで搭乗券にクジみたいに印刷されてきて、これに当たるとセキュリティでしっかりボディチェックを受けなくてはいけないという当たってもちっともうれしくないクジ。彼はしょっちゅうSSSSな人(通称VIP)なんだけど、私はハジメテ。多分国外に出るからだと思うんだけどなんか最初からやな感じ。特に彼はスーツケースを芸術的美しさで詰める達人なので、それをぐちゃぐちゃにされてちょっと不機嫌だし。
何はともあれ飛行機に乗り、4時間半ほどでシカゴに到着。このシカゴO'Hare空港はアメリカで一番発着の多い空港だと聞いたことがあるけれど、確かに大きな空港。しかしサンノゼ~シカゴは国内線だし、シカゴ~モントリオールは国際線だけど、食事などのサービスはなし(涙)。シカゴについた頃にはお腹もすきすきだったんだけど、広い空港だけにあんまり乗り継ぎの時間もないしゲート付近にはフードコートはないしで、途中でハムとチーズのサンドイッチだけを購入して、あとはスタバでフラペチーノ(厚着してたし、空港内めちゃくちゃ暑くてゲート間の移動で汗かいちゃった)。
やっとゲートについてヒトイキついてると、ゲートで呼び出し。パスポートをチェックされて、やはりここでも"I-94は回収させていただく必要があります。"と言われ、なんでやねーん。サンノゼでしたやり取りをまた繰り返し。アメリカに戻ってくると説明しても「帰国便のフライトレコードがないのでI- 94は回収しないとイケないんです」(←じゃあ車で旅行する人はどうするのよ)で、プリントアウトした帰りのアイテナリを見せて説明するも、帰りはトロントからの便を予約してあったので、「このアイテナリでは行きはモントリオール行きだけど帰りはトロントからになっているからここ(シカゴ)ではI-94を回収しないとイケないんです」(←じゃあオープンジョーの人はみんな回収?)と全く納得のいかない説明。どういう経路で入出国しようと、旅行が30日以内である限りI-94は回収されないはずです、と言っても「戻ってくるときに入国審査を受けてもらえばいいだけだし、そんなbig dealじゃないわよ」と・・・。私にとってはbig dealなんですってば!!とはいってもアメリカ人にアメリカの入国審査がどんなに陰険でイジワルなものかを説いても分かるはずもなく(って説き伏せるほどの英語力もないし)。結局私の大事な大事なI-94WちゃんはAAに回収されてしまったのでした。ああ、アメリカに戻ってくる日が怖い・・・。
モントリオール到着
シカゴからモントリオールへは2時間ちょっと。国際線ではあるのだけどアメリカンイーグルの運行なので、飛行機の席は1-2配置、FAさんはたった一人という寂しいフライトではあった。当然免税品とかも買えません(笑)。機体もボロボロだったしこの2時間は正直ツラかった・・・。それでもやっとモントリオールに到着。外はすっかり夕方。時差はあるとは言え、私たち朝の4時に家を出てきたんだよねえ、といいつつコチコチに凍った路面(滑走路以外の路面はピカピカのコチコチでした。この日のモントリオールの気温は氷点下7℃。アメリカにいると気温は華氏なので温度を聞いてもそれが暑いのか寒いのかさっぱり分からないんだけど、カナダはもちろん摂氏。なので「氷点下ですよー」と言われると「うわー、寒そう」と実感が沸いてくる。しかし、まいなすななど、ってどれぐらい寒いんだろう。(←なんだ分かってないじゃん)
モントリオール空港はなんだかめちゃくちゃキレイ、っていうかなんか人間のあたたかみが全く感じられないような機械的な空港だった(っていうか空港ってみんなそうなんだけど)。この空港に降り立って「おおー、異国に来たぞー」と実感する原因のひとつがフランス語。フランス系移民が大部分を占めるケベック州の都市であるこのモントリオール市民の主要言語はもちろんフランス語(パリに次ぐ2番目に大きいフランス語圏の都市らしい)。なので空港内の表示、人がまず話す言語がまずフランス語、その次に英語、と英語の優先順位がどこにいても2位なのだ。「なんだかフランスに来たみたいだねー(行った事ないけど)」となんとなく感動。
しかしここモントリオールがフランスと違って便利だろうと思われることは、フランス語表記だけじゃなくて必ず英語表記がそえられていること(空港とかの施設だけじゃなく)、そしてここモントリオールではほとんどの人がフランス語・英語のバイリンガルなんだって。まずは「Bonjour」と言われるけど、フラ語が話せなさそうだなと分かるとすぐさま「Hi, how are you?」と英語に切り替わってくる。うーん。スゴイ。思ったけど、英語がそこそこ話せる人がフランス語を学ぼうと思ったら、フランスに行くのもそうだけどモントリオールで過ごすってのもいいかなあって感じ。まず英語併記があるので街中に英仏辞書があふれているようなものだし、普段はフランス語で過ごしても、困った時は英語で対処できるし。
カナダへの入国は税関申請の書類を書くのみ。モントリオールでの入国審査はまず税関書類を持って第一入国審査みたいなものがあり、それから係員に言われた人のみ第2の入国審査の列に並び、別途スタンプをもらうみたい。私は日本からの旅行者ということで入国審査の列に入って入国審査を受けたんだけど、アメリカのビザを持ってる彼は税関の審査?のみで入国審査は免除だったようで。(パスポートに押されるスタンプも私とは違う)しかし税関の審査からバゲージクレームへ直通の階段があるので入国審査を受けずにバケージクレームへ行けてしまうので、どういう仕組みなのかよくわかんないけど、アメリカみたいにイジワルな入国審査じゃないので問題なくカナダ入国。
ホテルへ
氷点下とは言えど空港の中は暖房がめちゃくちゃ聞いていて、コートを着てると汗が出てくるほどだったんだけど、両替を済ませ、ホテルに行くためにタクシー乗り場に出たら・・・・イ、イタイ。空気が冷たすぎて、寒いっていうかイタイって感じ。すぐさま荷物から手袋とマフラーを出し、防寒装備を完了したんだけど、油断してただけにほんとに寒かった・・・。
そしていざ空港からホテルへ向かう。しかしタクシーの運転手さんの運転がものすごく危なっかしくて、前の車に追突しそうになるわ、車線をまたいで走行して後ろのトラックにブーブー鳴らされるわ、コワかった。運転手さんは「(タクシーの運転手として)必要なぐらいしか喋れないというカタコトの英語。あと面白いなって思ったのが、表記のビミョウな違い。アメリカだと、「10ドル50セント」の表記は「$10.50」となるわけなんだけど、カナダでは「10,50$」というような表記が多い。ドルマークが後ろにあるのはともかく、小数点がコンマなのはちょっと衝撃だなあ。
ここモントリオールには3泊の予定で、選んだホテルはsherbrooke通り沿いにある「リッツ・カールトン/ モントリオール」。モントリオールに住む彼の知人の話によると、モントリオールではこのリッツ・カールトンか、フェアモント・クイーンエリザベスというホテルが人気なのだとか。ここはなんでもものすごい歴史のあるホテルらしく(1912年オープンとか)、石造りの概観はそれだけで重厚さが漂っていて、いかにもな感じ。
部屋は標準的なアメリカのホテルと比較するとちょっと狭いし、古いホテルなので全体的に寂れた感じは否めずオバケが出そうな感じだったけけど、調度品はしっかりした造りのものばかりだったし、アメニティの類はとても充実していてさすがに世界のリッツカールトン、ということにしておきたい。いやしておこう。
約束があった彼はホテルに着いた直後に食事にでかけてしまい、何にも知識もないし夜の極寒の街をひとりでウロウロするのもなんだしなー、とネットで情報を収集したりしてみたり。ちなみにこのホテルはワイヤードでのインターネットは可能。最近はどのホテルもワイヤレスが完備されてるところばかりなので、 CAT5ケーブル持ってきてなくて「フロントに電話しなくちゃいけないのか、イヤだなー、、(電話キライ)」と思ってたら引き出しに入ってた。実はかなり急に彼が休暇の取得と旅行を決めたために、あんまりカナダの知識もなく、どこに行きたいとか、何がみたいとかも分かってないし・・。お風呂に入り、紀伊国屋でギリギリで買ってきた「地球の歩き方」を読みつつ、ネットしつつ、明日の予定を練ってみたり。
そんなことをしているうちに彼がホテルに帰着。外は「手と耳がちぎれて死ぬかと思った(真剣)」という寒さらしい。A型の私は備えあれば憂いなしで手袋も帽子も買って持ってきたんだけど(時期も時期だしサンノゼで探すの大変だった)、B型の彼は「まあなくてもなんとかなるでしょ」とマフラー以外何も持ってこず(ジャケットはアウトドアショップで完全防寒のものを買ったんだけどね)、あまりの寒さに目をウルウルさせてたよ。かわいそうに(といいつつちょっと勝利の気分だったのは言うまでもない)。食事したのはBiceというイタリアンレストランで、「めちゃめちゃ美味かった!!」とは彼の談。残ったワインを持ち帰ってきてくれて、さらに近くのカフェでサンドイッチも買ってきてくれたので、私はそれで夕ご飯。なんか今日はサンドイッチばっかり食べてます。サンドイッチはしょっぱかったけど、ワインは美味しかった。ごちそうさま。
このあたりで長距離移動の疲れもどーっと出てきて、眠いー、眠いー、といいつつ旅行で興奮しているので眠れない。遠足前の小学生か私は。